XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーは,「Universal Description, Discovery and Integration specification version 2.0(UDDI v2)」をOASIS標準(OASIS Open Standard)として承認した。OASISが米国時間5月20日に明らかにしたもの。

 OASIS UDDI Specification Technical Committee(TC)の共同議長を務める米MicrosoftのLuc Clement氏は,UDDIを検討する同技術委員会を設立した目的について,「UDDIを認知された業界標準に発展させ,可能な限り多くの意見を反映させるため」と述べる。「OASIS標準としてUDDIを承認できたことは,相互接続性を備え,業界をまたがって利用可能な,Webサービス・アーキテクチャに欠かせない標準の策定に成功したことを意味する」(同氏)

 同仕様の次版,UDDI v3については,同委員会共同議長のTom Bellwood氏(米IBM)が以下のようにコメントする。「OASISは,いよいよversion 3仕様を標準とするための作業を進める。同版に複数レジストリ対応や電子署名機能を盛り込むことで,あらゆる環境でUDDIを利用できるようになり,さらに適用範囲が広がるだろう」

 UDDI Specification TCの主なメンバ企業は以下の通り。米Computer Associates,富士通,IBM社,アイルランドIONA,Microsoft社,米Novell,米OpenNetwork,米Oracle,ドイツSAP AG,米SeeBeyond,米Sun Microsystems,Tata Consultancy Services社。

 なお米メディアの報道(TechWeb)によると,現行のUDDIにはセキュリティ機能の不備や複数レジストリ未対応という問題があるため,XML,SOAP,WSDLといったほかのWebサービス標準に比べ導入が進んでいないという。UDDIの利用が広まるのは,こうした問題が解決されるUDDI v3になる見込みだ。ただしOASISは,UDDI v3の最終リリース時期を明らかにしていない。

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