Webサービスの普及促進を図る業界団体Web Services Interoperability Organization(WS-I)が,Webサービスのセキュリティに関する仕様を検討するワーキング・グループ「Basic Security Profile Working Group(BSPWG)」を設立したと米国時間4月1日,発表した。

 BSPWGの設立は,WS-Iのタスク・フォース,Basic Security Work Plan Working Groupが数カ月かけて行った検討結果を受けたものという。同タスク・フォースは2002年11月に設立され,Webサービス関連セキュリティの相互運用性について諸問題の優先順位付けを行うなど,作業計画を立案した。

 同タスク・フォース議長のEve Maler氏は,「Webサービスのセキュリティは,ベンダーと消費者の双方にとって大きな課題」と説明する。「我々の目標は,セキュリティ技術に関する相互接続性の問題を中心に,安全なWebサービスの利用を促進する方策としてプロファイルを提供することだ」(同氏)

 BSPWGでは,データ転送やSOAPメッセージ交換の安全性,その他WS-I Basic Profileに関わるセキュリティ上の問題について,相互運用可能なプロファイル「Basic Security Profile」の開発を行う。同プロファイルはWS-I Basic Profile 1.0の拡張仕様とする予定で,「既存のセキュリティ仕様などを利用することで相互運用性確保に努める」(WS-I)。さらにBSPWGは,利用シナリオとコンポーネントのメッセージ交換パターン(MEP)の開発も計画している。

 こうしたBSPWGの成果物は,2003年5月中に確定できると見込む。

◎関連記事
米MS,IBM,RSAなどがWebサービス向けセキュリティの新仕様セットを発表
米マイクロソフト,Webサービスにセキュリティ機能を追加する「WSE」をリリース
Webサービスのセキュリティ仕様に決定版が登場
「金融機関の顧客向けWebサービス導入が拡大の見通し」,米企業の調査
「製造業界の2003年IT予算,最優先はセキュリティ分野」,米調査
「ITセキュリティ市場は2006年には450億ドル規模に」――米IDCの調査
「2007年のWebサービス管理市場,現在の約300倍の92億ドル規模へ」,米調査
Webサービス普及のカギはセキュリティ,Webサービス向けセキュリティ市場は2006年に44億ドル規模

[発表資料へ]