米Siebel Systemsは米国時間4月15日に,アプリケーション統合ソリューションの最新版「Universal Application Network(UAN)2.0」を発表した。

 「個別のシステムやプロセスの統合は,CIOが最も重視していることであり,一般的な企業におけるIT予算の最大50%を占める。2003年に企業が統合関連に費やす予算は総額900億ドルを超えるという。そのうち,約70億ドルは統合ソフトウエアにあてられる」(Siebel社)

 UAN 2.0では,9種類の垂直業界に特化した50種類の統合アプリケーションを追加したという。対象となる業界は,自動車,通信,メディア,エネルギ,金融サービス,保険,医療,ハイテク,製造。「Automotive Dealer Service Information Management」「Communications Bill Adjustment Management」「Financial Services Account Origination Management」といったプロセス統合機能が含まれる。

 例えば,電気通信サービス・プロバイダは,運用サポート・システムや決済システムなど,数十~数百種類のアプリケーションに関する業務処理を統合し,同時に優れた顧客サービスを提供しなければならない。UANを用いることで,顧客から受けた注文をSiebel社の「eBusiness Applications」,ERPシステムや在庫システムなどに統合することが可能だ。

 なお,Siebel社はUANの普及を目指し,米Accenture,米BEA Systems,米BearingPoint,Cap Gemini Ernst & Young社,米IBM,米Microsoft,米TIBCO,米SeeBeyond,米Vitria,米webMethodsなどと販売に関して協力しているという。

 米META Group上級プログラムディレクタのSteve Bonadio氏は,「異種混合環境にわたるビジネス・プロセス管理とデータ統合は,CIOが現在直面している課題の中でも最も頭を悩ませていることだ。IT部門の役割がアプリケーション開発からアプリケーション構成と統合に移行しているため,IT部門はビジネス・プロセスを自動化し,業界や企業の特性に最適化するための統合ソリューションを探す必要がある」と述べている。

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