米IBMが米国時間5月8日に,e-business向けソフトウエア「WebSphere」の新製品などを一挙に発表した。「企業がコスト削減を図ると同時に,効率を高め,顧客サービスを向上し,商品の市場投入までの期間を短縮できるようにする。効果的で管理しやすいビジネス・インテグレーションの実現を支援する」(IBM社)としている

 今回発表した製品は以下の通り。

・「WebSphere Application Server Version 5」:Java 2 Enterprise Edition(J2EE)1.3をサポートする。Webサービス構築のためのより簡単なビジュアル手法や新たなセキュリティ機能を備える。開発したアプリケーションはJ2EE Connector Architectureを通じてさまざまなバックエンド・システムに統合することが可能。リリースは2002年第3四半期を予定している。

・「WebSphere MQ Event Broker」:企業が特定のユーザーに,パーソナライズ化した情報をリアルタイムで提供できるようにする。社内ネットワークだけでなく,インターネットを介して広範な装置に配信することが可能。

・「WebSphere Business Integration Version 4.1」:ERPやCRMといったビジネス・アプリケーションにおけるビジネス・プロセスを統合し,リアルタイムで処理できるようにする。IBM社が今年1月に買収した米CrossWorlds Softwareの技術を取り入れている。

・「WebSphere Portal Version 4.1」:Webサービスを通じて収集した情報をまとめ,ハードウエアやソフトウエアのプラットフォームにかかわらず同一のGUIで表示する。また,企業はポータル・サイト用アプリケーションを容易にWebサービスに変換し,UDDIに登録することが可能。

 そのほか,既存のソフトウエアをe-business向けに再利用するためのツールなども発表した。IBM社によれば,新たなWWWアプリケーションを開発するのではなく,既存のソフトウエアを再利用することにより,統合コストを80%削減できるという。

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