米PeopleSoft社は,中小企業向けのソリューション・セット「PeopleSoft Mid-Market Solutions」を米国時間4月14日に発表した。同ソリューション・セットは,ビジネス・プロセスの自動化とコスト低下を実現するための13製品で構成され,年間収益が500万~5000万ドル規模の中小企業をターゲットとしている。同ソリューションは,PeopleSoftアプリケーションへの無制限のユーザー・ライセンス,トレーニング,ソフトウエアの実装サービスなどを固定価格で提供する。

 これら13製品は,調達から支払い,社員の募集から採用などのビジネス・プロセスを自動化するように設計されている。通常ソリューションソフトウエア・ベンダーが,中堅市場向けに用意するソリューションでは,顧客が複数のアプリケーションの購入と実装を同時に行わなければならない。しかし,同社が今回提供するソリューションでは,企業が必要なソリューションだけを購入し,必要に応じて拡張できる柔軟性を備えている。同社によれば,同ソリューションは,70日ほどで実装できるという。

 米調査会社のMarket-Partnersが,年間収益が5000万~5億ドル規模の企業に従事する700名を越える意志決定者を対象に調査した結果,41%の中堅企業が2003年にアプリケーションへの投資拡大を計画していることが明らかになった。また,予期しなかった費用として,インテグレーションに関連する費用がもっとも大きく,ユーザー・ライセンス,トレーニング費用が僅差で続いている。46%がビジネス・プロセスをサポートするソリューションを要求しており,48%は必要な時に必要な機能を実装できるように,単一のベンダーから提供されるアプリケーション・スイートを求めていることが明らかになっている。

 「中堅市場の企業がアプリケーション・スイートを購入して,1度にすべてを実装するのを期待するのはまったく実情にそぐわない。企業には,それぞれのペースでソリューションを実装する柔軟性が必要である。既存の中堅企業の顧客から学んだ最良事例をもとに,重要なビジネス・プロセスを自動化するように必要なソリューションを構成したので,投資回収が加速されるだろう」(PeopleSoft Mid-Marketの副社長兼ジェネラル・マネージャのJeffrey Read氏)

 すでに,中堅企業に向けて独SAP,米Oracle,米Siebel Systemといったライバルが,高価で設定に数年間かかるハイエンドのビジネス・システムをスケール・ダウンした製品を投入している。これに米Microsoftも参入するため,同市場において競争の拍車が予測される。

 「PeopleSoft Mid-Market Solutions」は,1つのコンポーネント実装ごとに5万ドルからの価格構成で提供されている。

◎関連記事

米PeopleSoftが企業向けアプリに米IBM,米Microsoft,米Yahoo!のIM機能を統合
米ピープルソフト,財務解析ツールなど企業向けスイートの各種新製品を発表
ピープルソフトがパートナとの関係強化,間接販売を開始
米ピープルソフトがCRM製品で「PocketPC Phone Edition」「Windows Powered Smartphone」への対応を発表

発表資料へ