米Microsoftと米Landmark Theatresは米国時間4月3日,Microsoft社のデジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」の導入に関して提携を発表した。Landmark Theatres社が運営する米国53カ所の映画館で,Windows Media 9 Seriesをベースにしたデジタル映画投影システムを177のスクリーン向けに実装する。「米国の映画館で最も大規模なデジタル・システムの導入となる」(両社)

 映画館のデジタル・システム導入は,映画配給コストの削減を可能にする。独立系映画制作会社にとって,大手映画制作会社と同じ金額を払わなければならない配給コストは大きな負担だ。この問題が解消されれば,独立系映画制作会社や配給会社は,幅広い市場に作品を売り込むことができる。

 「当社は昨年,250本以上の作品を上映した。大多数の作品は,芸術的完成度ではなく,市場の経済状態が成功と失敗の別れ道となった」(Landmark Theatres社執行副社長のBert Manzari氏)

 Windows Media 9 Seriesベースのデジタル映画投影システム導入は,2003年末までに完了する予定。映画の公開と配給には,米Digital Cinema Solutions(DCS)が協力する。DCS社が開発した「Cinema System」を,映画館の既存インフラと組み合わせ,著作権管理技術「Windows Media Digital Rights Management」で保護された映画を,私設ネットワークのほか,CD-ROMやDVD-ROM媒体で配給する。

 なおWindows Media 9 Seriesは,1月にユタ州で開催された映画祭「2003 Sundance Film Festival」で長編作品の上映に使用されている。その際にもDCS社が協力した。

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