米Microsoftは米国時間9月4日,次世代デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」のベータ版リリースを明らかにした。Microsoft社のWebサイトから入手可能。

 同社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト(CSA)のBill Gates氏がカリフォルニア州ロサンジェルスの「Hollywood and Highlands Complex」で行った基調講演では,映画監督のJames Cameron氏,音楽プロデューサーのGeorge Martin氏,ミュージシャンのLL Cool J氏などがGates氏とともに舞台に登場した。

 「Windows Media 9 Seriesは数年にわたる研究開発の成果である。パソコンにおけるデジタル・メディアの真の可能性を実現するために設計した」(Gates氏)

 Windows Media 9 Seriesは,DVDの6倍の高解像度を持つビデオや5.1チャンネルのサラウンド・サウンドのストリーミング・オーディオが可能なほか,テレビに近い映像体験をWeb上で実現するという。「メディアおよびエンターテイメント業界をはじめ,家庭やビジネスでのコミュニケーションに恩恵をもたらす」(Microsoft社)としている。

 Windows Media 9 Seriesの主な構成内容は以下の通り。

・「Windows Media Audio and Video 9 Series」:各種の転送速度において,優れた品質のオーディオおよびビデオと,「Web上で初めてとなる」(Microsoft社)5.1チャンネルのサラウンド・サウンド・コーデックを提供する。

・「Windows Media Encoder 9 Series」:オーディオおよびビデオ・コンテンツをオンデマンドでライブ制作する。

・「Windows Media Services 9 Series」:「Windows .NET Server」の新しいストリーミング・サーバー。

・「Windows Media Player 9 Serie」:メディア・プレーヤの新バージョン。

・「Windows Media 9 Series Software Development Kit(SDK)」:デジタル・メディア製品やサービスを開発するためのソフトウエア開発キット。

 Webサイトや配信サービスは,Windows Media 9 Seriesの「Fast Streaming」機能を利用して,テレビのチャンネル操作と同じくらい簡単な手法で音楽や映画などのストリーミング・コンテンツをユーザーに提供できる。Windows Media Audio and Video 9 Seriesの圧縮技術によって,「配信コストをオーディオの場合で20%,ビデオなら最大50%削減することが可能」(Microsoft社)

 Windows Media Player 9 Seriesでは,「Smart Jukebox」機能を使って幅広いデジタル・メディア・コレクションを簡単に管理することが可能。「pressplay」「Full Audio」「Cinema Now 」「Intertainer」といった主要な音楽およびビデオ有料配信サービスへの接続を予め設定した「Services」タブにより,さまざまな人気コンテンツを即座に見つけ出して,楽しむことができる。そのほか,プレーヤを小さくまとめてタスクバーに納める「Mini-Player Mode」機能,プレイリストにコンテンツを簡単に追加する「Queue It Up」機能などを備える。CD書き込み機能を組み込んでおり,DVDプレーヤ,ポータブル音楽デバイス,カーステレオ,Pocket PC,次世代携帯電話機,デジタル・オーディオ受信機など170種類以上のデバイスに対応する。

 なおMicrosoft社によると,メディアおよびエンターテインメント関連企業,民生電子機器メーカー,ソフトウエア・ベンダー,ハードウエア・メーカー,サービス・プロバイダなど60社以上がWindows Media Player 9 Seriesに対応したデジタル・メディア製品の作成に取りかかっているという。

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