「当社の無線LANハードウエア製品の売れ行きが好調だ。発売以来5か月間で団子状態の競合他社のなかからいち早く抜け出てトップに向かっている」――。米Microsoftが米国時間3月28日に,米NPD Groupの調査結果を引用するかたちで発表した。

 Microsoft社ブロードバンド・ネットワーキング担当プロダクト・マネージャのTodd Greenberg氏は,「最近まで家庭で無線LANを設定するのは非常に難しく,ほとんどの人にとってしり込みするような作業だったが,当社の製品はこの問題解決に役立った」と述べる。「平均的スキルのユーザーが家庭や小規模なオフィスで無線LANを設定できることから,消費者は当社の製品を採用する」(同氏)

 同社の家庭/SOHO向け無線LANハードウエア製品系列「Broadband Networking」では,「インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)とモデムの設定を自動取得し,アクセス・ポイント『Broadband Networking Wireless Base Station』とパソコンを自動的に設定する。しかも無線LANのセキュリティを確保するよう設定を行う,安全にネットワークを利用できる」(同社)。

 さらに管理ツール「Broadband Network Utility」により,「ネットワークの状態確認,問題のトラブル・シューティング,アップデート・ソフトウエアのダウンロードを簡単に行える」(同社)

 現在のところ,同製品系列が採用している無線LAN規格はIEEE802.11b。通信速度が同規格より速いIEEE802.11gについては,2003年後半リリース予定の次版で対応するという。「次版の提供は,IEEEが802.11g規格を承認し,Wi-Fi Allianceが相互接続性を認めた後になる」(同社)

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社のIEEE802.11g規格承認待ちの姿勢に対し,競合他社が2003年1月以降相次いで対応製品の販売を始めたことから,同社の市場シェアは小さくなっているという。

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