米D-Link Systemsは,IEEE 802.11b/同a/同gの3規格に対応する無線LAN対応ルーター「DI-864」,PCカード「DWL-AG520」,カードバス・アダプタ「DWL-AG650」の出荷を開始した。D-Link社が米国時間3月6日に明らかにしたもの。さらに同社は,同じく3規格対応の無線LAN用アクセス・ポイント「DWL-3000AP」の出荷も2003年3月中に始めるとしている。

 「当社はこのマルチモードIEEE802.11b/a/g対応製品系列により,無線ネットワーキング向けの“オールインワン”商品を提供する」(D-Link社社長のSteven Joe氏)

 同社のIEEE802.11b/a/g対応製品は,IEEE802.11aおよび同gモードで最高54Mbpsの帯域幅を提供すると同時に,「同b規格との完全な下位互換性も維持している」(同社)。またユーザーが会社や家庭,ホットスポットのあいだを行き来する場合でも,同製品系列のPCカード/カードバス・アダプタは異なる無線LAN規格をスムーズに切り替えられるという。

 各製品の概要は以下の通り。ただし同社は,各製品の価格については明らかにしていない。

・DI-864:
 10/100Mbps自動切換えEthenetポートを備えるファイアウオール付き無線ブロードバンド・ルーター。使いやすい設定ウィザードとWebベースのインタフェースにより,設定/管理が容易という。DHCPサーバーを内蔵しており,無線クライアントにIPアドレスを自動割り当てできる。MACアドレスによる認証,ステートフル・パケット・インスペクション(SPI),コンテンツ・フィルタリングなどのセキュリティ機能も持つ。また,ドメイン・ブロッキングやIPアドレス・フィルタリング機能により,保護者は子供向けでないWebサイトの閲覧を禁止できる。取り外し可能な無指向性アンテナ2本と,接続状態確認用/診断用LEDを備える。

・DWL-3000AP:
 無線アクセス・ポイント。Webベースのインタフェースにより,設定/管理が容易という。64ビットおよび128ビットWEP暗号に対応。取り外し可能な無指向性アンテナ1本と,接続状態確認用/診断用LEDを備える。

・DWL-AG650
 無線LAN機能を持つ32ビット・カードバス・アダプタ。IEEE802.11b/a/g対応ネットワーク間でローミングが可能。同aのみ,または同b/g間のみのローミング・モードも選択できる。プラグ&プレイ対応なので,ノート・パソコンへの導入が容易という。無線LANサイト検索ツールが付属しており,通信可能範囲内にある無線ネットワークを簡単に見つけることができる。64ビットおよび128ビットWEP暗号に対応。小型ダイバシティ・アンテナを内蔵し,接続状態確認用LEDを備える。

・DWL-AG520
 無線LAN機能を持つ32ビットPCIアダプタ。同社のIEEE802.11b/a/g対応製品と組み合わせて使用することで,ネットワーク接続を自動化できる。64ビットおよび128ビットWEP暗号に対応。無線アクセス・ポイントに接続するインフラストラクチャ・モードに加え,ほかの無線LANカードと直接接続するアドホック・モードでも利用可能。取り外し可能な無指向性アンテナ1本と,接続状態確認用/診断用LEDを備える。

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