米Microsoftが米国時間9月19日に,無線LAN向けの「Broadband Networking」製品系列を発表した。「ブロードバンド・インターネット接続,ファイル,プリンタを,家庭やスモール・オフィス内のすべてのパソコンで共有する際に,Wi-Fi(IEEE 802.11b)の設定を簡単かつ迅速に行う方法を提供する」(Microsoft社)

 Broadband Networking製品では,無線ネットワーク設定を行うためのウィザード「Setup Wizard」を用意する。このウィザードは,ISPやモデムの設定を取得して,「Broadband Networking Wireless Base Station」とパソコンを自動的に設定できる。またSetup Wizardは無線ネットワークの設定を「Network Set-up Disk」にコピーするので,長くてわずらわしい設定内容や暗号化鍵をメモしておく必要がない。さらに管理ツール「Broadband Network Utility」により,「ネットワークの状態確認,問題のトラブルシューティング,アップデート・ソフトウエアのダウンロードを簡単に行える」(Microsoft社)

 またMicrosoft社は同社のBroadband Networking製品用WWWサイトで,製品に関する情報を提供する。同サイトでは,今後「Network Guide」と呼ぶ設定確認ツールの提供を予定している。同ツールを使うと,ネットワークを構築する際にどの製品を購入すればよいかをまとめたリストの作成が可能という。

 Broadband Networking製品系列のそのほかの特徴は以下の通り。

・米Intersilの「PRISM WLAN」ソリューションを採用。

・無線通信の盗聴を防ぐため,128ビットWEP暗号化を初期状態で“使う”設定にして製品を出荷する。

・NATおよび内蔵ハードウエア・ファイアウオールにより,インターネットからの攻撃を防止する。

・UPnPに対応することで,悪意のあるハッカーのアクセスを防ぎつつ,家庭内のネットワーク上にある任意のパソコンからインターネット経由のマルチプレーヤ・ゲームやビデオ/ボイス会議を利用できる。

・基地局の管理は,WWWブラウザ・ベースの管理ツール「Base Station Management Tool」を使って行い,MACアドレス・フィルタリングや保護者によるコンテンツ制御(ペアレンタル・コントロール)を設定できる。

・ハードウエアの保障期間は2年間。その期間中は無料技術サポートを365日24時間利用できる。

 Broadband Networkingの各製品の概要と米国における価格は以下の通り。

・Wireless Base Station(MN-500):無線基地局。149.95ドル

・Wireless USB Adapter(MN-510):無線USBアダプタ。79.95ドル

・Wireless Notebook Adapter(MN-520):無線PCMCIAカード・アダプタ。79.95ドル

・Wireless Desktop Kit(MN-610):無線基地局と無線USBアダプタのセット。219.95ドル

・Wireless Laptop Kit(MN-620):無線基地局と無線PCMCIAカード・アダプタのセット。219.95ドル

・10/100 Ethernet Wired Base Station(MN-100):Ethernet接続用基地局。79.95ドル

・10/100 Ethernet USB Adapter(MN-110):Ethernet USBアダプタ。29.95ドル

・10/100 Ethernet Notebook Adapter(MN-120):Ethernet PCMCIAカード・アダプタ。39.95ドル

・10/100 Ethernet PCI Adapter(MN-130):Ethernet PCIカード。24.95ドル

・10/100 Ethernet 5-Port Switch(MN-150):Ethernet 5ポート・スイッチ。39.95ドル

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