米Motorolaが米国時間3月24日に,VoIP装置用の参照プラットフォーム「Smart Packet Telephony 8101」を発表した。「同プラットフォームは,音声/ファックス/モデム・データ・サービスを処理する中小規模のメディア・ゲートウエイ装置に向ける」(Motorola社)とする。

 Smart Packet Telephony 8101は,同社の「MPC8260 PowerQUICC II」プロセサを採用し,複数のFast Ethernetインタフェースを持つ。PTMCフォーム・ファクタのドーター・カードを使うことで,StarCoreアーキテクチャ・ベースのDSP「MSC8101」を6個搭載できる。

 「リモート・アクセス・サーバー(RAS)やIP-PBXを開発するメーカーがこの拡張可能な評価/開発プラットフォームを使用すると,製品開発期間を大幅に短縮できる」(同社)

 同プラットフォームは,パケット・ベースの音声システムに必要不可欠な音声圧縮やエコー・キャンセル機能を備える。そのほかのVoIP機能として,DTMF検出/音声の有無検出/無音抑止や,モデムおよびファックス用の変調/復調機能に対応する。

 Smart Packet Telephony 8101用のソフトウエア開発環境は,Motorola社傘下の米Metrowerksが「CodeWarrior Development Studio for Packet Telephony」を提供する。

 同プラットフォームの主な内容は以下の通り。

【ハードウエア】
・6個のMSC8101を搭載するDSPドーター・カード
・MPC8260を搭載する基板
・E1/T1インタフェースを4ポート。最大128回線のPSTNまたはPBX DS-0を終端可能
・POTSを4ポート。最大4回線のPOTSラインまたはトランクを終端可能
・H.100接続に対応
・10/100 Base-T Ethernetを2ポート
・Utopia level-2インタフェースを1ポート。ビットレートは最大155Mbps
・設定/管理用のRS232ポート
・デバッグ用のJTAGポート

【ソフトウエア】
・MPC8260およびMSC8101用のドライバ・ライブラリ
・基板レベルの診断機能
・MPC8260 U-Bootブートローダ
・MPC8260 Linux対応
・複数のサード・パーティ製パケット・テレフォニ・ソリューションが利用可能
・Motorola社の提供する部品レベルのデモが利用可能
・複数のサード・パーティ製メディア・ゲートウエイ/RASソフトウエアが利用可能

 なお同プラットフォーム用開発キット「Smart Packet Telephony 8101 Development Kit」は,Metrowerks社が2003年6月に発売する予定。

 またMotorola社は同日,同社のネットワーク・プロセサ用ソフトウエア「Smart Wireless Network Interface(WNI)」を発表した。WNIは,Base Transceiver Station(BTS),NodeB機器,Base Station Controller(BSC),Radio Node Controller(RNC),モバイル・スイッチング・センター用の2.5/3世代無線ネットワーク・インタフェース・ライン・カードの作成に使用できる。

◎関連記事
米モトローラがVoIP/VoATM用のボードとモジュールを発表,最大672の圧縮音声をサポート
「当社はLANテレフォニ市場のリーダー」。米シスコが市場調査結果と顧客のコメントを引用
米IBM,企業IPテレフォニのコンサルティング,統合および導入サービスを発表
富士通,企業向けにVoIPテレフォニ・ソリューションを発表
「IPテレフォニの導入で企業の75%がコストを削減,60%以上が生産性を向上」,米調査より
IPテレフォニ市場は年平均45%で拡大,2007年には151億ドル規模
「IPテレフォニは急成長の見込み,2007年の通話時間は970億分へ」と米調査
「VoP(Voice over Packet)対応の通信プロセッサ,今後5年間は年平均64.5%で急成長」---。米Cahners In-Stat

[発表資料(Smart Packet Telephony 8101)]
[発表資料(WNI)]