「米Cisco Systemsは,LANテレフォニ市場においてリーダー的位置にある」。Cisco社は米国時間2月19日に,市場調査結果や同社製IP通信ソリューションを採用した顧客のコメントなどを引用して発表した。

 Cisco社は,「これまでに世界で6000以上のIP通信顧客を獲得し,IP電話機を140万台以上出荷した」と説明する。

 また同社は,米Synergy Research Group(SRG)の実施した2002年第4四半期の市場調査結果を引用している。「Cisco社のLANテレフォニ市場におけるシェアは39.9%でトップに位置し,IP電話の出荷台数シェアは50%でこれも1位。企業向け音声ゲートウエイの出荷台数シェアは72.8%ある」(SRG社)

 同社製IP通信ソリューション顧客の例として,Cisco社はフランスの業務管理/ITコンサルティング会社Cap Gemini Ernst & Young(CGE&Y)のコメントを引用する。CGE&Y社のネットワークは,車輪の“スポーク”に似た接続形態で全米に点在する12カ所のオフィスを結び,IP通話処理を集中管理するため「Cisco CallManager」ソフトウエア・クラスタを採用した。すでに600台のCisco社製IP電話を導入しており,2003年5月までに775台を追加する計画である。

 CGE&Y North America社ネットワーク・サービス担当ディレクタのTom Fryar氏は,当初「既存PBXもそのまま使えるように音声/データの混成ソリューションを導入しようと考えていた」という。しかし,「この種の方法は,長期間に渡って運用できないことが分かった」(同氏)。そこでCGE&Y社は,同社のデータ・ネットワークへのIPテレフォニ機能追加を決定した。ちなみにこのネットワークは,「ほぼすべてCisco社製品で構成されている」(Cisco社)。

 Fryar氏の見積もりによると,Cisco IP Communicationsシステム用の装置に対する初期投資の額は,競合するPBXシステムに比べ約20%少なかったという。「システムの総所有コスト(TCO)は,従来型のPBXのハードウエア/ソフトウエア・メンテナンス料金と比較すると50%近く安く済む」(同氏)

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