米IBMが米国時間12月11日に,IPテレフォニ向けのコンサルティング,統合および導入サービスを発表した。企業における電話システムのIPテレフォニ移行を支援する。

 IBM社によると,今回発表したサービスは「管理,帯域幅確保,アプリケーション統合にかかる費用を縮小し,最大30%のネットワーク・コスト削減を可能にする」という。また,「統合メッセージング,IPベースのCRM,IPベースのコンタクト・センターといったIP対応アプリケーションを利用することにより,生産性を向上し,顧客サービスを拡充することができる」(IBM社)としている。

 「IPテレフォニ技術の進歩は,音声およびデータ・ネットワークの統合を検討している企業にとって大きな魅力である。コスト削減,管理向上,収益増加を実現できるからだ。我が社はe-business改革の取り組みの一環として,世界規模のインフラにおける音声とデータの統合を進めている」(IBM社Networking Services部門バイス・プレジデントのColleen Rafferty氏)

 今回発表したサービスでは,顧客の電話システムを査定し,IPベースのネットワークに統合するための企画と移行を支援する。サービス・プロバイダと協力し,カスタム化した幅広い統合ソリューションを提供する。「地域や国内で事業を営む企業だけでなく,海外に事務所を構える大規模企業も視野に入れる。IPネットワークが音声対応になれば,ボイス・メール,電子メール,ファクス,コール・センター・アプリケーション,電話会議などが利用できる」(IBM社)。なおIBM社は,セキュリティ・サービスやネットワーク・ケーブル設置サービスも提供する。

 ソリューション導入後は,ネットワーク運用および管理サービスも手がける。ネットワーク・サービス・プロバイダと協力体制を敷き,顧客のネットワーク環境を管理するための包括的な機能を提供する。無線および有線ネットワーク,サーバーやワークステーション・プラットフォームにおけるセキュリティ,性能,構成,変更,容量の管理などが含まれる。

 ちなみに米IDCによると,IPテレフォニ市場は年平均49%で拡大し,2007年には409億ドル規模に成長するという。

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