「VoIP(Voice over IP)市場は,2002年から2006年まで年平均48%で成長する。市場規模は2003年に30億ドル,2004年には50億ドルに達する見通しだ」。市場調査会社の米Synergy Research Group(SRG)は米国時間3月18日に,キャリア向けVoIP市場に関する調査結果を発表した。それによると,市場は2001年に143%成長したという。

 キャリア向けVoIP市場は現在,総資本支出の削減が進んでいるにも関わらず,ネットワークおよび電気通信事業界のなかでは急成長を遂げている。

 SRG社によると,キャリアは主に回線交換ネットワークを採用しているが,パケット方式を取り入れることに積極的だ。2002年はカナダのNortel Networks,フランスのAlcatelといった大手がVoIP分野に精力的な攻勢をかけるほか,Telica社,米Unisphere Networks,米Convergent Networksなどの企業が新規参入し,キャリア向けVoIP市場は活気に満ちた1年となる。

 
■表1 VoIP世界市場におけるインフラ・プロバイダの市場シェア

              2001年Q4              2001年
Sonus          28.7%                25.6%
3Com           17.9%                13.1%
Cisco          14.7%                22.5%
VocalTec        4.1%                 4.0%
Lucent          2.8%                 3.7%
Clarent         2.7%                 8.9%
Nuera           2.1%                 2.5%

出典:SRG社

 SRG社の創設者兼主任アナリストのJeremy Duke氏は「2002年はキャリア各社が,自社のネットワークをClass 5タイプのパケット通信へと積極的に移行するだろう」と予測した。

 また同氏は「VoIPアーキテクチャが TandemからAccessへと移るにつれ,今後12カ月間にわたりソフト・スイッチ,アプリケーション・サーバー,メディア・サーバーなどに注目したい。Class 4の導入により,過去24カ月間でメディア・ゲートウエイが成長したのと同じ現象がみられるはずだ」とつけ加えた。

■表2 VoP(Voice over Packet)世界市場における
インフラ・プロバイダの市場シェア

              2001年Q4              2001年
Nortel         35.9%                23.1%
Sonus          33.8%                37.1%
Cisco          10.2%                19.6%
3Com            5.5%                 4.3%
Convergent      3.1%                 0.7%

出典:SRG社

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