米Frost & Sullivanが米国時間8月22日に,「Voice-Over IP(VoIP)機器が著しい成長を遂げる。特に,長距離通信分野での伸びが目覚ましい。市場規模は2000年の13億9000万ドルから2007年には140億3000万ドル規模へと7年間で約11倍に拡大する」との予測分析を発表した。

 サービス・プロバイダ企業が市場を牽引する。サービス・プロバイダ企業はパケット・ベースのIPネットワークでサービスを提供しているため,回線スイッチのネットワークなどによる制約がなく,導入しやすい」(Frost & Sullivan社アナリストのJon Arnold氏)。

 「次世代キャリアはデータのほか音声サービスなどもすべてIPネットワークで提供するようになる。こうしたキャリアは新技術を迅速に取り入れつつ,サービスがまだ行き渡っていない地域でも積極的に事業展開し,シェアを拡大していくとみられる」(Frost & Sullivan社)。

 地域別にみると,中国と東南アジアでの成長が目覚しい。こうした新興市場では,既存のテレフォニ技術は使わず,いきなりIP網の構築へと突き進むとArnold氏は指摘する。

 2001年にはVoIPの導入がクリティカルマスのレベルに達するとみる。2001年後半から2002年のはじめにかけて,伝統的なキャリアがいっせいにVoIPの導入を拡大するため,市場は一気に拡大するという。

 また,IP電話やソフトスイッチ・アプリケーションなどといった技術も急速に立ち上がる。「ソフトスイッチは,ニッチ市場に向けたサービスを低コストで迅速に立ち上げ可能なため,企業には魅力的にうつる」(Arnold氏)。

 なおFrost & Sullivan社は2001年3月にも,「サービス・プロバイダのソフトスイッチ導入が加速している。2006年にサービス・プロバイダがソフトスイッチ技術にかける費用は3900万ドルを超える規模となり,サービスによる売上高は850億ドル規模へと大きく拡大する」との調査結果を発表している。 

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