米Frost & Sullivanが米国時間8月6日に,北米のVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスの市場に関する調査結果を発表した。2000年に3億1400万ドルを突破した卸売りサービスは,2007年には40億2000万ドルに達するという。小売りサービスでは2000年の2億7300万ドルから2007年には170億ドルにまで増大する,と同社はみる。

 「米MCI Worldcomや米AT&TがVoIP市場に参入した今,VoIPはもはや“クール”な技術ではなくなった」(Frost & Sullivan社)

 「当初VoIPは単に品質が低い,無料の電話だと考えてられており,誰も将来に通じる技術とは考えていなかった」とFrost & Sullivan社アナリストのElka Popova氏は指摘する。「無料のパソコン電話は認知度向上につながった,しかしVoIPの本当のメリットは,卸売りサービスや企業向けサービス,消費者向け通話サービスでもたらされていく」(同氏)。

 サービス・プロバイダは,コスト削減や競争力強化を目的として音声/データの統合サービスを利用しようと考えており,強い関心を寄せている。また北米の通信市場における価格競争激化が牽引車となって,キャリアでのVoIP導入が進んでいるという。

 また音声/データのバンドル・サービスをカスタム化し,低料金で提供することで,サービス・プロバイダは自社サービスを差異化し新規顧客を開拓できると指摘する。

 「VoIP技術が普及し,北米の通信業界の勢力図に激変をもたらすことは確かだ。企業向けVoIPサービスと消費者向けの電話サービスが最も高い成長が見込める」(同氏)。

 同社では,2007年までに企業向けサービスが北米の全VoIPトラフィックの約64%を占めるようになると予測する。また消費者向け電話サービスは同27%を占めるとみている。

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