米IDCは米国時間1月27日に,IPテレフォニの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場は年平均45%で成長し,2007年には151億ドル規模に達するという。景気の低迷にもかかわらず,VoP(Voice over Packet)分野の長期的展望は明るいとみる。

 最も成長が有望視されているのは,IP-PBXといった企業向けシステムである。2003年は企業向け装置の売上高が66%増加する見通しだ。

■IPテレフォニ装置の売上高予測(単位:100万ドル)

                 2001年   2002年  2003年  2004年   2005年  2006年  2007年
     合計        1,846    2,398   3,336   4,945    7,592   11,356   15,142
   成長率(%)    NA      30%     39%    48%    54%     50%    33%

出典:IDC(2003年1月)

 また2003年は,IP CentrexやVoIP VPNサービスの提供を検討しているIP-PBXベンダーやキャリアに大きなチャンスをもたらす一年となる。米Verizon,米SBC,米WorldComなどは2002年に,サービス開始に関する発表を行っている。キャリアにとって,他分野で蓄積したソフト・スイッチの知識を活用できるチャンスだが,「これまで蓄積した知識をスムーズに共有できるかが成功のカギとなる」(IDC)。

 またIDCは,「顧客が次世代技術へ移行する際に必要なサポートを提供するには,研究開発はもちろん,インストール,設計,テストなどに精通する必要がある」と,長期的な取り組みの重要性を指摘した。

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