米企業の40％以上にIPテレフォニが浸透，米InfoTech社調査

和田英一

2002.01.23

　米国で500名以上の従業員を抱える企業の40％以上が，企業内の電話を従来のPBXを使ったシステムからIP LANテレフォニに移行している---米InfoTechが行ったIP LANテレフォニについての調査で米国時間1月22日，明らかになった。

　この結果は，2001年の第3四半期に実施した調査をもとにしたもの。同社は3年連続でIP LANテレフォニ市場に関する調査を行っている。今回の調査では，需要の推移とその理由を分析している。重要な市場セグメントにおける需要は，次のように変移している。

・ハイエンドの企業間での需要は低下しているが，中規模企業間では増加している。
・データ・ネットワークの意志決定者の間で需要は低下しているが，電気通信の意志決定者の間では需要が高まっていた。
・IPが使用可能な既存のPBXへの需要が，特に1000台以上の電話機を持つ大規模システムで高まっている。
・40～1000台の電話機を持つ企業での需要は低下している。

　「IP LANテレフォニの実装を始めた企業の中で，80％以上がその信頼性と音質に満足していると報告している。90％が予測通りの経費削減を実現できたとし，40％がシステムの拡張を決定している」（同社のアナリストのTerry White氏）。

　同社によれば，2001年の米国市場におけるPBXと10台以上のキー・テレフォン/混合システムの需要は，2000年と比較して20％低下している。また同時期に，IP LANテレフォニの出荷は3倍に増加している。その結果，この新しい技術は市場全体の12％を占めるようになった。

　同社は，IP LANテレフォニ・システムによる年間収益は，2001～2006年にかけて年間成長率32％で拡大すると予測している。そして同じ期間において，関連アプリケーションとサービスの市場はその2倍の速度で成長するとみている。2006年までに両方を合わせた収益は170億ドルを越え，そのうちアプリケーションとサービスは全体の80％を占めると推測している。