米AT&Tが米国時間9月12日に,IP VPN(IPベースの仮想私設網)サービスと管理インターネット接続サービスを拡充したことを明らかにした。

 専用IP VPNサービスでは「high priority」「low priority」「best effort」の三つのクラスを用意する。ネットワーク・マネージャはトラフィックに応じたサービスを選べる。優先度に応じてアプリケーションを各クラスに割り当て,ネットワークを効率的に利用できるようにする。

 例えば,同一のネットワークでVoice over IP(VoIP)とインターネット・ブラウジングを利用する場合,高い性能が要求されるVoIPをhigher priorityに設定する。音声トラフィックを常に最優先で伝送するため,音声のクオリティを維持することができる。

 管理インターネット接続サービス「Managed Internet Service(MIS)with Managed Router」では四つのクラスを用意する。VoIPやビデオ会議向けの「real time」,ERP(Enterprise Resource Planning)といったミッション・クリティカルなデータ・アプリケーション向けの「high priority」,人材サイトや企業電子メール向けの「medium priority」,インターネット・ブラウジング向けの「low priority」である。

 またこの他のIP VPNの拡張サービスは以下の通り。

・専用IP VPNサービス「Private IP Access Services」:60カ国の850以上の都市に置かれた2200カ所のダイヤル・ポイントからアクセスできる。2002年早々に開始する予定。

・IP VPNサービスにアクセスするためのEthernetサービス「Metropolitan Ethernet Services」と「Internet Ethernet Service」:Metropolitan Ethernet Servicesは50Mbps,150Mbps,300Mbps,600Mbpsの4段階でサービスをスタートする。Internet Ethernet Serviceは10Mbps,100Mbps,1GビットEthernetがあり,MISサービスの一部として提供する。ともに2002年第1四半期に利用可能になる。

・3カ国の14都市に所有する18のInternet Data Center(IDC)を利用し,ホスティング・スペースや管理ホスティング・サービスを企業向けに提供する。

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[www.att.comに掲載の発表資料1]
[www.att.comに掲載の発表資料2]