英Analysys Researchが英国時間7月3日に,「西欧におけるIP-VPN(Virtual Private Network)サービス市場は2006年に66億規模へと,5年間で7倍の規模に拡大」とする予測分析を発表した。

 Analysys社は,2006年にデータ通信市場におけるIP-VPNの占める割合が10%程度になると予測している。調査はAnalysys社が欧州および米国の大企業と中小企業50社以上を対象に実施し,回答を得たもの。

 Analysys社によれば,IP-VPNは企業の規模や業種を問わず,広範にわたってユーザーの関心を集めている。「注目」の理由としては,「コスト・パフォーマンスが高い」「競争力に優れたシステムの構築に向く」「技術的な面で関心がある」など。「サービス・プロバイダ」に影響を受けたとするユーザー企業はなかった。

 「一部のサービス・プロバイダは,売上高が落ち込んで苦しい状況となっても,ユーザーを引き付けるための努力をすることを怠っている。特に中小企業ユーザーに対し,そのような傾向が強い。サービス・プロバイダは,ネットワーク技術の向上やユーザーの要望に応じて改善を図るなどといった対応を行うべき」(Analysys社,アナリストのMargaret Hopkins氏)。

 IP-VPNユーザーの60%が「期待通りの効果が得られた」と回答している。一方で問題点としては,「コスト面で期待通りのメリットが得られなかった」「ネットワークの待ち時間,帯域幅など性能が十分でない」「セキュリティが不十分」などが挙がった。

 IP-VPNユーザーが重要なアプリケーションとして挙げているのは,「電子メール」「WWWブラウザ」「データベースやネットワーク,イントラネットへの遠隔アクセス」など。「音声とデータの統合」の重要度はあまり高くないという結果だった。エクストラネットについては,キャリアの関心は高かったものの,ユーザー企業全体での関心度は低かった。

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