「IP-VPN(Virtual Private Networks:仮想私設網)が急速に認知度を高めている。今後世界規模で事業を展開する大企業や電子商取引市場などでの導入・構築が進む」。米Cahners In-Stat社が米国時間5月9日に調査結果を発表した。

 調査はIn-Stat社が米国のエンド・ユーザー企業を対象に実施したもの。「IP-VPNをすでに構築済み」「今後2年以内に構築する計画である」を合わせると75%にのぼった。

 「VPN市場は,ATM/フレームリレー・サービスからIPベースへとシフトしている。導入期間が短縮でき,コストを低減できるほか,ユビキタス(いつでも,どこでも)性の拡張やセキュリティを強化できる点などがユーザーをひきつけている」(In-Stat社シニア・アナリストのHenry Goldberg氏)。

 IP-VPNサービスの利用状況をみると,これまでのところアウトソーシングのIP-VPNサービスを利用している企業は非常に少ない。「プロバイダ企業はマーケティングに力を入れ,アウトソーシング・サービスの利点についてしっかりと訴えていくべき」(Goldberg氏)。

 その他の調査結果は以下の通り。

・社内でIP-VPNを構築している企業のIP-VPN機器コストは年間で約20万ドル。米Cisco Systemsの製品に人気がある。アウトソーシングを利用した場合は約50万ドル。

・バリュー・チェーン・ネットワークを付加価値サービスに対応可能なネットワークにアップグレードするように,サービス・プロバイダは顧客に促している。すでに世界規模でデータセンターを構築しているサービス・プロバイダもある。WWWホスティングとアプリケーション・サービスがカギを握っている。

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