通信分野の市場調査およびコンサルティング会社である米Atlantic-ACM社(本社:マサチューセッツ州,Boston)は8月10日,IPテレフォニ技術に関する調査レポート「IP Telephony: Overview and Trends 2000-2004」を発表した。このレポートによれば,インターネットを介した音声通信を実現するIPテレフォニの市場は今後数年間にわたって著しく拡大し,2005年には200億ドル規模に達すると予想される。

 レポートの主な論点は以下の通り。

 IPテレフォニには,従来のアナログ電話に対して多くの利点がある。しかし現在のところ,サービス品質の問題がIPテレフォニの広範囲な普及に大きな障害となっている。これに対してAtlantic-ACM社は,IPテレフォニのサービス品質は,音声トラフィックに対する遅延などの品質のコントロールが技術的に可能になるに従って,標準の電話ネットワークと同等のレベルに達するのは確実であると見ている。

 もう1つの問題は使い易さである。従来の標準的な電話機は「ピックアップ・アンド・ダイアル」という極めて簡単な操作で利用できる。子供でも使いこなせる単純さを特徴としている。しかし,IPテレフォニで果たしてこれに対抗できる程度の使い易さが実現できるかという問題である。一般消費者は複雑で分かりにくいダイアリングは受け入れないだろう。レポートは,IPテレフォニのユーザー・インタフェースをどの程度まで単純で使いやすくするかが本格的普及の鍵であるとしている。

 この他,IPテレフォニ市場の現状と今後の予測,メーカーやサービス・プロバイダの動向,技術の現状と展開の方向,コスト分析などが詳細に議論されている。

 このレポートは950米ドルで9月から入手可能となる。内容の目次などはWebサイト http://www.atlantic-acm.com で見ることができる。

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