米IDCが米国時間3月24日,米国小売り業界のIT予算について調査した結果を発表した。それによると,2002年における同業界のIT予算は前年と比べ3.4%減少した。しかし2003年から年平均5.3%で増加し,2007年には296億ドル規模に達するという。

 「2002年は,年末に向かうほど小売り業界のIT予算が縮小した。小売り事業者はコスト管理や収益確保に骨を折った。しかし,2003年以降は回復基調に入る見通しだ」(IDC,Retail and Wholesaleプログラム担当マネージャのChristopher Boone氏)

 ITベンダーが小売り業界のIT予算回復によって収益機会を掴むには,以下のことに注力すべきだと,IDCはアドバイスする。

・小売り業者の利幅を向上するソリューションの確立

・ROI(投資回収)を実現できる,短期間で導入可能なソリューションの開発

・ITプロジェクトによって財政的な恩恵をうけることができる事業部門の特定

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