米Microsoftは,カリフォルニア州サンノゼで開催中のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference(GDC)2003」で,マルチメディア用API群「DirectX 9.0」を用いた技術デモンストレーションする。同社が米国時間3月5日に明らかにしたもの。

 「DirectX 9.0で採用しているプログラミング言語『HLSL(high-level shader language)』を用いた,マルチメディア・アプリケーションの革新的な開発手法を紹介する」(Microsoft社)

 HLSLはC言語をベースにしており,「生き生きとしたアニメーション作成から特殊効果プログラムまで,3次元(3D)グラフィックス作成のあらゆる作業を簡素化する」(Microsoft社)。DirectX準拠のGPUに対応しているため,広範なハードウエアに同様の視覚的効果を定義することが可能。

 Microsoft社はGDC 2003で,DirectX 9.0の頂点シェーダやピクセル・シェーダ,画像パフォーマンス最適化機能,HLSLなどの技術強化に関する講習のほか,グラフィックス・プログラマ向けのワークショップを開催する。

 DirectX 9.0の主な特徴は以下の通り。

・従来のポリゴン・メッシュのほか,パッチ・メッシュに対応するライブラリ

・リアルタイムのアニメーション機能を向上

・プログラマブル頂点シェーダとプログラマブル・ピクセル・シェーダのバージョン2.0が付属

・開発環境「Visual Studio .NET」との統合

・ビデオ・レンダリング向けAPI「DirectShow」を強化

・オーディオ・オーサリング・ツール「DirectMusic Producer」の最新版が付属

・「DirectX Media Objects(DMO)」作成のための新たなウィザードを追加

・複数人数でのゲーム対戦を想定し,ゲーム向けAPI「DirectPlay」の向上

・DirectPlayで「Pocket PC 2002」をサポート

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