米Microsoftは12月20日,ゲームなどのマルチメディア・アプリケーションを高速に動作させるためのAPIセットDirectXの新版9.0を正式にリリースした。マイクロソフトのWebサイトからソフトウエア開発キット(SDK)およびラインタイムを無償でダウンロードできるほか,2003年1月には同サイトでCD-ROMの郵送サービス(実費1050円)の受付を開始する予定だ。

 新版では,これまでのCOMインタフェースに加えて .NET実行環境で動作するクラスライブラリを用意。Visual Basic .NETやC#などでDirectXを利用するアプリケーションを開発できるようにした。このほか,3次元グラフィックス処理において,(1)座標変換や明るさの計算といった頂点単位の処理を擬似的なアセンブラ命令を使ってカスタマイズできる頂点シェーダが,条件分岐や繰り返しなどのフロー制御をサポート,(2)テクスチャ・マッピングなどのピクセル単位の処理をカスタマイズするピクセル・シェーダがデータを浮動小数点で扱うようになり,計算精度が向上,(3)テクスチャに基づいて頂点座標を変位させるディスプレースメント・マッピング機能を追加,(4)視点からの距離などに応じてポリゴンの細分化の度合いを自動的に変更するアダプティブ・テセレーション機能を追加,などの機能強化を図っている。

(日経ソフトウエア)