カナダATI Technologies社は2002年7月18日,グラフィックス・ボードの新製品「RADEON 9700」を発表した。2002年秋に米Microsoft社が公開予定のDirectX 9.0に対応した「RADEON 9700 Visual Processing Unit(VPU)」という最新チップを搭載する。DirectX 9.0に部分的に対応した製品としてはカナダMatrox社が2002年5月に発表した「Parhelia-512」があるが,フル対応した製品は初めて。2002年8月に128MバイトのDDR SDRAMを搭載した製品を399ドルで発売する。

 同社のRADEON 8500などの従来製品は4個のピクセルを同時生成していたのに対し,8個のピクセルを同時生成できるようになった。DDR SDRAMのインタフェースも従来製品の128ビット幅から256ビット幅に倍増した。AGP 8Xに対応する。

 DirectX 8以降にに対応したグラフィックス・チップは,内部の処理エンジンがプログラマブルになっている。ポリゴンの頂点の位置などを決める「頂点シェーダ」と,テクスチャの張り付けやピクセルごとの光源や陰影の処理を行う「ピクセル・シェーダ」である。RADEON 9700は,プログラマブル頂点シェーダの数を4個に増やした(RADEON 8500は1個,米NVIDIA社のGeForce4 Tiは2個)。また,ピクセル・シェーダを使って動画の画質を向上させる技術も新たに搭載した。

(大森 敏行=日経バイト)

カナダATI Technologies社