米Microsoftはマルチメディア用API群「DirectX 9.0」のベータ第1版をリリースしたことを米国時間5月30日に明らかにした。Microsoft社のプログラミング言語「HLSL(high-level shader language)」を取り入れており,「先進のグラフィックス技術を提供する」(Microsoft社Windows Third-Party Gaming and Entertainment部門ディレクタのTed Hase氏)としている。

 HLSLはC言語をベースにし,「アート創作から特殊効果プログラムまで,3次元(3D)グラフィックス作成のあらゆる作業を簡素化する」(Microsoft社)。DirectX準拠のGPUに対応しているため,広範なハードウエアに同様の視覚的効果を定義することが可能。

 DirectX 9.0の主な特徴は以下の通り。

・従来のポリゴン・メッシュのほか,パッチ・メッシュに対応するライブラリ。

・リアルタイムのアニメーション機能を向上。

・プログラマブル頂点シェーダとプログラマブル・ピクセル・シェーダのバージョン2.0が付属。

・開発環境「Visual Studio .NET」との統合。

・ビデオ・レンダリング向けAPI「DirectShow」を強化。

・オーディオ・オーサリング・ツール「DirectMusic Producer」の最新版が付属。

・「DirectX Media Objects(DMO)」作成のための新たなウィザードを追加。

・複数人数でのゲーム対戦を想定し,ゲーム向けAPI「DirectPlay」の向上。

・DirectPlayで「Pocket PC 2002」をサポート。

 DirectX 9.0ベータ第1版は,DirectXベータ・サイトに登録しすると無償で入手できる。「DirectX 9.0 Software Development Kit(SDK)」およびDirectX 9.0ランタイムの最終版は2002年秋にリリースする予定である。

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