米IBMと米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は,両社の企業向けインスタント・メッセージング(IM)サービス「Lotus Sametime」(IBM社)と「Enterprise AIM Services」(AOL社)を試験的に相互接続することで合意に達した。両社が米国時間2月3日に明らかにしたもので,「両システム間で行う通信の簡素化/効率化が目的」(両社)という。

 主に試験運用では,Sametimeのユーザーが単一のスクリーン名およびパスワード,一元管理している連絡先リストを使用するという条件のもと,Enterprise AIMのユーザーと通信できるかを確認する。両社は,「これらの条件はすべて,企業向けIMに欠かせないセキュリティおよび管理手段を企業のIT管理者に提供するため」と説明している。

 両IMソリューションは現在クライアントを統合しており,Sametimeユーザーは連絡先一覧画面内のタブから「AIM Buddy List」にアクセスできる。試験運用では,IBM社とAOL社が両ソリューションを相互接続し,バックエンド・システムの統合も行う。これにより,AIMユーザーと通信したいLotus Sametimeユーザーは,機能強化した総合的なディレクトリ機能を利用可能となる。

 「今回の試験運用では,『AIM Enterprise Gateway』とEnterprise AIM Services全体をSametimeと統合する。こうすることで,プライベートなドメイン・サービスに企業向けディレクトリ認証機能を組み合わせ,ネットワーク上のIMトラフィックを管理/記録/監視する手段を企業のIM管理者に提供できる」(両社)

 「試験が成功すれば800万人以上いるSametimeの企業ユーザーは,最終的にはシステムの違いを意識することなく,世界中で1億9500万人を上回るAIMの登録ユーザーと通信可能となる」(AOL社戦略事業ソリューションズ担当上級副社長のBruce Stewart氏)

 なお両社は,試験運用の実施期間や正式サービス開始時期など,計画の詳細については明らかにしていない。

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