英Reutersが米国時間10月14日に,インスタント・メッセージング・サービス「Reuters Messaging」の開始を明らかにした。グローバル金融サービス業界向けに設計しており,「すでに84カ国の約1100社が登録している」(Reuters社)という。

 Reuters Messagingは,Reuters社が米Microsoftと共同開発したもの。メッセージの保管や監査に関する法規など,ビジネス・セキュリティや金融機関向けの規定に対応する。

 Reuters Messagingにより,財務担当者は即座に同僚や顧客と連絡を取り合うことができる。ユーザーはReuters Messagingのディレクトリを介してネットワークに接続し,相手がオンラインにアクセスしているかどうかプレゼンス情報を得ることが可能。1対1あるいは1対グループの会話を実行できる。

 Reuters Messagingは業界標準プロトコルであるSession Initiation Protocol(SIP)をベースにしているため,財務担当者が使用する端末やシステム,「Windows」を搭載したデスクトップ・パソコンに容易に組み込める。Reuters社はReuters Messagingを,「Reuters 3000Xtra」「Reuters BridgeStation」「ReutersPlus」などのデスクトップ・パソコン向けサービスや,現在開発中の新製品に組み込む予定である。

 「近年,消費者市場ではインスタント・メッセージングが通信ツールとして広く普及している。しかし金融サービス市場では,セキュリティなどの問題から導入が進んでいない。Reuters社とMicrosoft社が共同開発したインスタント・メッセージング・サービスは,標準ベースの技術を組み合わせており,財務担当者が要求する性能とセキュリティの条件を満たす」(Reuters社CEOのTom Glocer氏)

 Reuters社は金融サービス業界の顧客と協力し,新たなサービスや機能を開発する計画である。

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