米3ComはDSL回線上でEthernetを使用する技術に関わる特許を,ドイツのInfineon Technologies AGにライセンス供与する。両社がそれぞれ現地時間1月23日に明らかにしたもの。

 この合意によりInfineon社は,対象となる特許の不可分権を得る。一方3Comは,特許のライセンス料を受け取るとともに,Infineon社がさらにライセンス供与して得た収益の一部をロイヤルティとして得るという。ただし,ライセンス料の金額など詳細については明らかにしていない。

 Infineon社は,同社のPacket-over-VDSL(PoVDSL)および「10BaseS」用LSIで,3Com社の特許を使用するとしている。同社が買収したSavan社の技術者が対象特許をベースとする技術の開発を担当し,3Com社の技術者がこれを支援する。

 「VDSL上でEthernetを利用すると,マルチチャネル・ビデオ,インタラクティブ・ゲーム,その他IPベースのアプリケーションなど真のブロードバンド・サービスを,既存のインフラ上で容易かつ経済的に提供できる。その結果,この方式が世界中のISPや通信会社のあいだでデファクト・スタンダードになった」(Infineon社有線通信事業担当副社長のNoam Alroy氏,Infineon Technologies Savan社CEOを兼任)

 「当社が2002会計年度に同技術向けLSIを200万個以上出荷した事実は,この重要な市場で当社がリーダーシップを発揮していることの現れだ。3Com社の特許が利用可能となったことで,通信装置プロバイダに対し今後ますます優れた技術ソリューションを提供できる」(同氏)

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