米AMDは米国時間11月14日,大規模な人員削減計画について明らかにした。同社の全従業員の15%にあたる2000人を2003年第2四半期末までに削減する予定。米国,欧州,アジアで実施する。

 この計画は,損益分岐点を引き下げ,2003年の支出額を3億5000万ドル削減するという同社の戦略の一環という。

 なおAMD社は11月9日に開催した年次アナリスト会議で,2002年第4四半期の売上高が前期比20%増となる見通しを明らかにしている。このとき社長兼CEOのHector Ruiz氏は「ビジネス・モデルを作り直す戦略を進めている」と説明していた。

 AMD社によると,同日,今回削減対象となる約1000人の従業員にこの計画が告げられたという。またAMD社はこれに際して「先の発表通り,第4四半期決算で数億ドルの費用を計上する予定」(AMD社)。

 今回の人員削減策について,Hector Ruiz氏は次のような声明を発表している。「我々の成功は健全な財務体制のもとに形成される。現在我々が行っているのは,営業支出と設備投資を減らすための果断な措置。そのうちの一つに人員削減計画がある。大変苦しく,残念なことではあるが,これが市場におけるAMD社の地位維持に貢献することになる。それは,やがて市場が回復した際に,最大限の恩恵をもたらすことになる」(同氏)

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