米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間9月24日に,ノート・パソコン向けプロセサ「mobile AMD Athlon XP」の新版,「2000+」および「1900+」を発表した。

 「省電力化を図るための技術『PowerNow!』を採用することでバッテリ運用時間を大幅に延長し,いつでもどこでも作業可能な真のモバイル・ソリューションをビジネスおよび家庭ユーザーに提供する」(AMD社)

 同プロセサは,「QuantiSpeed」アーキテクチャと呼ぶ命令実行技術,マルチメディア向けの「3DNow! Professional」技術をDDRメモリー技術に組み合わせることで,ビデオや画像の編集,DVD再生,複雑な演算などを行うアプリケーションを実行可能な優れた性能を実現しているという。

 QuantiSpeedアーキテクチャは,9イシューの完全にパイプライン化したスーパースケーラ・マイクロアーキテクチャを採用し,スーパースケーラ浮動小数点ユニット,ハードウエアによるデータ・プリフェッチ,排他的および投機的TLB(Translation Look-aside Buffers)などの機能を備える。

 ソケットは同社の「Socket A」互換で,200MHzおよび266MHzの「AMD Athlon」フロントサイド・バス・オプションに対応する。製造プロセスは0.13μmルールで銅配線を採用し,ドイツのドレスデンにあるFab30で製造する。

 mobile AMD Athlon XPプロセサの1000個ロット時の価格は,2000+が345ドル,1900+が239ドル。

 なおAMD社によると,米Hewlett-PackardとFujitsu Siemens Computers社がmobile AMD Athlon XP 2000+を搭載したノート・パソコンを同日発売するという。さらに,オランダNEC Computers Internationalの消費者向け部門であるPackard Bell社が,mobile AMD Athlon XP 1900+ベースのシステムを年末にもリリースする見込みである。

◎関連記事
米AMDがAthlon XPの新製品「2600+」と「2400+」を発表,「世界最高性能で“動作周波数神話”を打破する」
米AMDがAthlon MPの新製品「2200+」を発表,「すべてのAthlonが銅配線/0.13μmルールを採用した」
米AMDが動作周波数1.2GHzと同1.1GHz「mobile AMD Duron」を発表
米AMDが「mobile Athlon 4」の新版「1500+」を発表,米コンパックが搭載機を発売
米AMDがゲート長10nmのダブルゲートFinFETを開発,「集積度は現行トランジスタの10倍に」
米インテルのノートPC用新CPU「Banias」,「省電力,高性能,接続性,小型軽量をすべて実現」
米インテルが2.20GHz版「Mobile Intel Pentium 4」などモバイル向けプロセサ11製品を一挙発表
「2002年Q2のノート・パソコン市場はパソコン全体の低迷にもかかわらず前年同期比6.1%の伸び」,米データクエスト

[発表資料へ]