米AMDが米国時間8月7日に，ハンドヘルド機や携帯電話機向けの64Mビット・フラッシュ・メモリー「Am29BDS640G」を発表した。同メモリーはデータのスループットが高速でありながら，すべての動作モードで他社製品より消費電力が非常に小さいことが特徴という。「スタンバイ・モードでは，消費電力を最大95％削減する」（AMD社）
AMD社メモリー・グループ技術マーケティング／ビジネス開発担当副社長のKevin Plouse氏は，「第2.5／3世代携帯電話機で必要とされる高速なスループットを提供しつつ，消費電力がAm29BDS640Gほど少ないメモリーは，現在市場に存在しない」と説明する。「動作周波数54MHzに対応可能なスループットを実現するとともに，機器の消費電力を少なくとも1／20にまで削減できる」（同氏）
Am29BDS640Gの容量は64Mビットで，動作電圧は1.8V。0.17μmプロセスで製造し，パッケージは80ピンのFBGA。高性能なバーストモード・インタフェースを備え，AMD社の「Simultaneous Read/Write」および「FlexBank」アーキテクチャを採用する。ランダム・アクセス・タイムは70ns，シンクロナス・アクセス・タイムは13.5ns。同社の「Enhanced VersatileI/O」により，3Vまた1.8Vのシステムのいずれでも，設計時の自由度が増すという。
100万回のプログラム／消去に対応し，摂氏125度において最低20年間はデータを保持する設計になっているという。
Am29BDS640G単体のパッケージで供給する以外に，1.8V動作の8Mビットまたは16MビットSRAMと共に単一パッケージに封止したMCP（Multi-Chip Package）タイプの製品も提供する。「フラッシュ・メモリーとSRAMを一つのMCPで提供することで，高性能の製品をより小さくでき，システムの全体的なコストを削減できる」（ADM社）
AMD社はAm29BDS640Gを直ちに利用可能とする。1万個ロット時の単価は10.75ドル。MCPタイプの製品の価格は明らかにしていない。
◎関連記事
■米AMDの2002年Q1決算，PC市場低迷により売上高が前期比33％減，赤字が1億8000万ドルに拡大
■米AMDがリストラ策，2工場を閉鎖，全従業員の15％に当たる2300人を削減へ
■Samsung，低消費電力の512MビットMobile-SDRAMのサンプルを出荷
■日立，松下，東芝など5社がメモリー・カード向けセキュリティ拡張仕様「MC Extension Standard」を公開
■米サンディスクがフランスの大手DPEチェーン店でフラッシュ・メモリの販売開始
■「2005年のメモリ・カード市場は現在の1.6倍に」，米In-Statの調査
■6月の北米半導体製造装置業界，受注額が11億5910万ドルに，BBレシオは4カ月連続で「1.0」超
■「2002年5月の世界半導体市場は前月比2.8％増収，ほとんどのカテゴリが成長」，とSIA
[発表資料へ]
