米AMDは米国時間7月17日に,2002年第2四半期の決算を発表した。売上高は6億29万9000ドルで,前年同期の9億8526万4000ドルと比べて39%減少,前期の9億207万3000ドルから33%減と急激に落ち込んだ。純損失は1億8493万8000ドル(希薄化後の1株当たり損失は54セント)。前年同期は1735万2000ドルの純利益(希薄化後の1株当たり利益は5セント)を計上していた。また,前期の純損失は916万3000ドル(希薄化後の1株当たり損失は3セント)と,赤字幅も大きく拡大した。

 2002年前半の売上高は15億237万200ドルで,前年同期間の21億7401万1000ドルに比べ31%減少。純損失は1億9410万1000ドル(希薄化後の1株当り損失は57セント)で,前年同期間は純利益1億4218万9000ドル(希薄化後の1株当り利益は43ドル)であった。

 パソコン用プロセサの売上高は3億8000万ドル。前年同期の5億8800万ドルに比べ35%減少,前期の6億8400万ドルから44%減と大幅に落ち込んだ。「デスクトップ向けプロセサの売上は落ちたが,モバイル向けの売上は横ばいであった」(AMD社)。なお同社は同期に,プロセサの在庫量を減少させ,顧客の状況改善を図ったという。

 「特に北米と欧州のパソコン市場が予想以上に低迷した影響で,非常に厳しい市場の中でマイクロプロセサに対する需要が落ち込んだ」(AMD社CFOのRobert J. Rivet氏)

 メモリー製品の売上高は1億7500万ドルで,前年同期の3億1600万ドルに比べ45%減少した。しかし,前期の売上高1億6000万ドルからは9%増となり,ビット単位の出荷量は「記録的」(同社)であった。

 「フラッシュ・メモリー製品の売上高は,同期に改善した。これは,消費者が高密度/高性能のフラッシュ・メモリーを使った多機能電話機を購入したため,ハイエンド携帯電話機市場が好調だったからだ」(同氏)

 同社は半導体製造に使用する半導体技術を,0.18μmルールから0.13μmルールへ切り替える作業をすでに完了している。ドイツのドレスデンにある工場Fab 30では,すべてのウエーハ製造で0.13μmルールの適用を開始した。0.13μmルールのウエーハの出荷は,2002年第4四半期になる予定。「当社は,すべてのマイクロプロセサを0.13μmルールで製造する唯一の企業」(同社)

 なお同社は,第3四半期には売上高は徐々に改善するとみる。ただし,現在のパソコン市場の低迷とフラッシュ・メモリー市場の成長率では,第3四半期も赤字になるとの見通しを明らかにしている。

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