米Sun Microsystemsはマサチューセッツ州バーリントンにある同社の敷地内に,マイクロプロセサ設計用のコンピュータ・センターを新たに開設した。Sun社が米国時間11月6日に明らかにしたもの。

 Sun社はこのほかに,カリフォルニア州サニーベールとテキサス州オースチンにもコンピュータ・センターを持っている。3カ所のセンターをネットワーク接続して運用することで,7500個の「UltraSPARC」を使って1日24時間98%の稼動率で演算を実行できるという。

 コンピュータ・センターは,UltraSPARCマイクロプロセサの設計に使用する。同社は次世代プロセサに数億個のトランジスタを集積することになるとみており,新たに設計したプロセサの動作をシミュレーションするだけで数兆回の演算が必要になるという。

 通常UltraSPARCプロセサの技術チームは,コンピュータ・センターで1日に14万件以上のジョブを実行する。仮に1個のプロセサで同じ作業を処理すると13万4000時間以上かかるので,15年の期間が必要になるという。「当社が速いペースで製品開発を続け,研究・開発の継続が可能なレベルにコストを抑えられているのには理由がある。その一つとして,コンピュータ・センター利用により作業効率向上と期間短縮を達成していることが挙げられる」(同社)

 これらコンピュータ・センターのインフラは,「Solaris Operating Environment」に対応する同社製サーバー,ワークステーション,「Sun Ray」デスクトップ・システム,ネットワーク対応ストレージなど,すべて同社のプラットフォームで構成してある。「高度なリソース管理ソフトウエアにより,最大の効率でセンターを運用し続けることができる」(同社)

 なお同社は,コンピュータ・センターをプロセサ設計に利用するだけでなく,次世代データ・センター構想「N1」用の試作/試験施設としても機能させる予定である。

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