米IBMが米国時間10月14日に,新たな64ビット・マイクロプロセサ「PowerPC 970」を発表した。デスクトップ・パソコン,ワークステーション,サーバーなどに向ける。2003年にリリースする予定である。
PowerPC 970はサーバー用プロセサ「POWER4」をベースにする。第1弾製品の動作周波数は最大1.8GHzを狙う。データを64ビット単位で処理するため,マルチメディアやグラフィックスなど,高い計算能力を必要とする作業を加速化できる。SIMD(single instruction multiple data)と呼ばれる命令方式を用いる。
PowerPC 970は,300mmウエーハにSOI技術を用いた0.13μmルールの半導体技術で製造する。銅配線を使用し,5200万個のトランジスタを集積する。プロセサとメモリー間のバスの周波数は最大900MHz,データ転送速度は最大6.4Gバイト/秒。
「PowerPC 970は,ハイエンド・サーバーの処理能力をデスクトップ・パソコンやローエンド・サーバーで実現する」(IBM社Microelectronics Division部門ジェネラル・マネージャのMichel Mayer氏)
PowerPC 97は従来の32ビット・アプリケーションもネイティブでサポートする。また,SMP(symmetric multi-processing)に対応しており,複数のプロセサを搭載したシステム構成が可能。
ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,米Apple ComputerがPowerPC 970を来年採用するとみられているが,Apple社のコメントは得られていない。
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