米Sun Microsystemsは初めてのユーザー・カンファレンス「SunNetwork 2002 Conference and Pavilion」を,米国時間9月18日にサンフランシスコで開催した。

 Sun社によると,3日間のカンファレンス期間中に175件以上の技術セッションを開催し,展示ホールでは200社以上の企業がSun社の技術をベースにした製品などのデモンストレーションを行うという。「7000人を超える顧客,パートナ,開発者が参加する」(同社)とする。

 Sun社は同カンファレンスで,新たな製品,サービス,パートナシップを発表する。発表の範囲は,セキュリティ,高度なデータ・センター設計,デスクトップ・コンピューティング向けのコスト効率に優れた手法,製品のロードマップなど,企業向けコンピューティングのさまざまな分野に及ぶ。

 主な発表内容は以下の通り。

・Enterprise Clientソリューション:
 同社のLinuxデスクトップ・ソリューション。Sun社のLinuxとオフィス・スイート「StarOffice」,GNOMEデスクトップ,Mozilla Webブラウザ,米Ximianのスケジュール管理ソフト「Evolution」,「Sun ONE Directory Services」で構成する。「他社製クライアント環境では高額なライセンス料が必要だ。それに対し当社のEnterprise Clientは業界初のオープンなソリューションなので,経済的な代替手段を望む顧客の要求に直接応えられる」(Sun社)

・インターネット・コンピューティング向けセキュリティ:
 より高度なネットワーク・セキュリティを実現する目的で,12件以上の発表を行った。そのなかには,同社の楕円曲線暗号(ECC)技術のソース・コードをOpenSSL Projectに寄贈しオープン・ソース化する計画や,Perimeter Defense(境界防御)およびSecure Web Serverとして知られる「iForce Security Solution」のリリースなどを含む。

・高度なデータ・センター設計:
 高度なデータ・センター設計のビジョンとアーキテクチャの詳細を示した。サービス提供に必要なコンピューティング/ストレージ/ネットワーク・リソースをすべて実現させることで,単一かつ密接に統合されたシステムの構築を可能とする。「N1」と呼ぶ計画により,管理や変更するシステムを一つだけにまとめ,その際,分散ネットワーク・アーキテクチャの拡張性/可用性/安全性は損なわないという

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