米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間8月27日に,サーバー/ワークステーション向けプロセサ「Athlon MP」の新版「2200+」を発表した。

 銅配線と0.13μmルールを採用し,ドイツのドレスデンにあるFab30で製造する。これにより,Athlon製品系列のプロセサは,すべて銅配線による0.13μmルールを採用したことになる。「0.13μmルールにより,より小さなダイ・サイズで,高性能と低消費電力を両立した」(AMD社)

 Athlon MPプロセサは,「サーバーやワークステーション市場向けの理想的なデュアルプロセサ・プラットフォーム」という。「Athlon MP 2200+はサーバー顧客に対し,業務上重要なメール/データ交換/ファイル操作/印刷/ネットワーク・アプリケーションに利用可能な信頼できる安定した環境を提供する」(同社)

 「技術者,設計者,デザイナなどのワークステーション・ユーザーに対しては,デジタル・コンテンツ作成ツールやCADといった,高い演算性能を必要とするワークステーション用アプリケーションに適した能力をもたらす」(同社)

 同プロセサは,Microsoft WindowsおよびLinuxに対応する。さらに,「QuantiSpeed」アーキテクチャと「Smart MP」技術により,既存のインフラへ容易に導入できるという。

 Athlon MP 2200+の主な特徴は以下の通り。

・Smart MP技術:2つのCPU,チップセット,メモリー・システム間のデータ転送を改善することで,システムの全体的な性能を大幅に向上させるという。クロック周波数266MHzのError Correcting Code(ECC)機能付きシステム・バスを二つ備える。デュアル・プロセサ・システムにおいて,1CPU当り最大2.1Gバイト/秒のバス帯域幅を実現する設計となっている。「Modified Owner Exclusive Shared Invalid(MOESI)」と呼ぶ,マルチプロセサ環境用のキャッシュ一貫性プロトコルを採用する。

・QuantiSpeedアーキテクチャ:AMD社の命令実行技術。ハードウエアによるデータ・プリフェッチ機能,パイプライン化されたスーパー・スカラー浮動小数点演算ユニット,排他的および投機的TLB(Translation Look-aside Buffers)などの機能を備える。

・3DNow! Professional技術:同社のマルチメディア向けプロセサ技術3DNow!を拡張し,新たに51個の命令を追加した。

・AMD-760 MPXチップセット:同社の既存チップセット「AMD-760 MP」をマルチプロセサ向け拡張(MPX:Multi-Processor eXtended)したもの。66MHz/64ビット/32ビットPCIバスでの性能を向上させ,PCIツーPCIブリッジ機能など豊富な周辺バス制御機能を備えるという。同チップセットは,システム・コントローラ「AMD-762」(ノースブリッジ)と周辺バス・コントローラ「AMD-768」(サウスブリッジ)の二つのLSIを持つ。クロック周波数266MHzのシステム・バス(FSB),PC2100 DDRメモリー,AGP 4xグラフィックスに対応するAthlon MPプロセサを,二つまで制御可能。

・パッケージ:「Socket A」互換。

 AMD社によると,Athlon MP 2200+を搭載したシステムは34社以上のメーカーから直ちに発売される予定である。

 Athlon MP 2200+の価格は1000個ロット時の価格が224ドル。詳細な価格情報はAMD社のWWWサイトに掲載している。

 なお米メディアの報道(InfoWorld)が伝えるところによると,Athlon MP 2200+の動作周波数は1.8GHzという。

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