米IBMとフランスのDassault Systemesはフランスで現地時間10月29日,3次元PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)製品の最新版「Version 5 Release 10(V5R10)」を発表した。

 両社によるPLM製品を利用することにより,ユーザーは設計,製造,保守,サポートのビジネス・プロセスを最適化し,共通のPPR(プロダクト/プロセス/リソース)モデルを使って協調作業を進めることができる。

 「V5R10のコンセプトは“ナレッジでつなぐ”である。各製品によってナレッジ共有を実現し,顧客との価値の高い相互関係を築くことができる」(両社)。今回V5R10を発表した主なPLM製品は以下の通り。

・協業製品開発用の「CATIA」:中小企業向けの「Entry PLM」から大規模製造メーカー向けの「Vertical Applications」などが含まれる。

・協業ライフサイクル管理用の「ENOVIA」:LCA(ライフサイクル・アプリケーション)プロセスおよびプログラム・プランニング機能を強化し,Web対応コンポーネントを追加した。

・協業ライフサイクル管理用の「SMARTEAM」:パッケージング,価格設定,ライセンシングを簡素化する。CATIAやENOVIAとの相互接続性を強化した。

 またDassault社は製造プロセス・エンジニアリング向けの「DELMIA」のV5R10も発表した。自動車や航空宇宙業界における合理的製造工程設計を可能にする。ENOVIAとの統合機能を高めた。

 「V5R10は,PLMに関するカスタムなロードマップ構築を支援する。中小企業は,CATIAとSMARTEAMを組み合わせてPLMのベスト・プラクティスを導入することにより,製品開発とPLMの技術を統合できる。また,これまでの作業結果とナレッジを統合することで,知識,意向,ノウハウを顧客と共有し,顧客に製品構成の理解を深めてもらうことが可能だ」(両社)

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