米Autodesk社は2次元および3次元設計アプリケーションのコレクションである「Autodesk Inventor Series」の配布開始を米国時間1月30日に発表した。これは,1つのパッケージに同社の3次元設計ソフトウエア「Autodesk Inventor」,「Autodes Mechanical Desktop」をまとめたもの。同製品は3次元ソフトウエアに加えて,2次元の「AutoCAD」と「AutoCAD Mechanical」ソフトの機能も提供する。

 同製品は,現在使用しているAutoCADシステムと併用しながら「Autodesk Inventor」をメインの設計ツールにしたいと考えるユーザーに容易で手軽な移行手段を提供する。ユーザーは,生産性を低下させることなくAutoCADベースの製品を使いながら,「Autodesk Inventor」を試して徐々に移行できる。そのため現在の設計システムを無駄にすることなく最新の3次元設計技術を学び,利用する機会が提供される。

 「製造業者は,Autodesk Inventorのような3次元設計とビジュアライゼーション・ツールを使うことにより,コストがかかるプロトタイプを作らないで済ませて,生産サイクルの短縮やコスト削減ができる。また企業の内外を通じて共有できるデジタル設計データの作成により,取引先の範囲を広げられる」(同社の製造部門副社長のRobert Kross氏)。

 同製品は,最新版の「Autodesk Inventor 5.3」とともにAutodesk専用のモデリング・カーネル「ShapeManager」を収録している。またパフォーマンス,設計図作成,データ交換,APIを強化している。

 「Autodesk Inventor Series」は,全世界に向けて正規代理店を通じて配布され,また米国とカナダには「Autodesk Subscription」プログラムを通じても配布される。さらに同プログラムに登録している米国およびカナダの「Autodesk Mechanical Desktop」ユーザー全員に届けられる。

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