米IBMとフランスのDassault Systemesがフランスで現地時間2月12日に,3次元プロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLM)ソリューション「CATIA」の「バージョン5リリース8(V5R8)」を発表した。製品の設計から開発,シミュレーション,最適化を行う。2002年2月15日に世界で発売を開始する。

 V5R8では機能強化を図ったほか,「23の製品を追加し,構成製品は合計で119となった」(両社)。ユーザーは3次元PLMを利用することにより,設計,製造,保守,サポートのビジネス・プロセスを最適化し,共通のPPR(プロダクト/プロセス/リソース)モデルを共有して協調作業を進めることができる。

 CATIA V5は造船業界向けのソリューションを提供しているが,今回発表したV5R8では,設計概念の段階も視野に入れている。「CATIA Structure Preliminary Layout」や「Structure Functional Design」といった新たな製品により,造船所の空間管理や構造レイアウトにあたる造船技師,エンジニア,サプライヤのニーズに応える。また,電力,制御システム,流体分布,HVAC向けの機能を備えたシステムも新たに追加した。

 製品設計プロセスにおける強化内容としては,エントリ・ソリューション(P1)のユーザー・インタフェースを一新し,生成ソリューション(P2)にネイティブでアクセスできるようにした。また,ソリューション全体(P1,P2,P3)に統合性と一貫性をもたせた。

 その他の新たな機能には,成形性を検証する「Core and Cavity Design」,リバース・エンジニアリング機能「Quick Surface Reconstruction」,立体リソグラフィ・ツール「STL Rapid Prototyping」などが含まれる。また,ナレッジ獲得および共有のための製品として「Knowledge Expert 1」が加わった。

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