ERPパッケージ(統合業務パッケージ)の「iBaan ERP」を販売しているバーン ジャパンは7月から,PLM(プロダクト・ライフサイクル管理)ソフト「iBaan for PLM」を出荷する。PLMは,部品表や設計図といった製品情報を,開発・設計から保守までの全工程で共有することで,設計作業の効率化や在庫の削減などを図ろうというコンセプトだ。

 蘭バーンのイレーナ・ジュッカ Baan PLM事業部長は,「iBaan for PLMを利用することで製造業のユーザーは,設計変更に伴う手間を少なくとも半分に減らすことができる」と,新製品導入のメリットを強調する。iBaan for PLMを利用すると,複数のグループで設計作業をしている場合に,あるグループで発生した設計変更が他のグループに即座に伝わるので,設計作業の無駄を省くことができる。製品や部品の在庫情報をERPパッケージから取り込んで,在庫を無駄にしない最適のタイミングで設計変更を実施することも可能になる。さらに,設計用の部品表と製造用の部品表の差異を分析する機能を利用すれば,設計変更を即座に生産現場に反映できる。

 ジュッカ事業部長はこれらに加えて,「iBaan ERPだけでなく,他社製のERPパッケージやレガシー・システムとも容易に接続できるのがiBaan for PLMの特徴だ」と説明する。「iBaan Product Package」と呼ぶサブシステムを利用することで,他社製ERPパッケージやレガシー・システムからiBaan for PLMに製品情報を取り込むことが可能になる。

 iBaan for PLMの価格は個別見積もり。2002年度の国内市場における売上高は10億円を計画している。

森 永輔=日経コンピュータ