米IBMは米国時間10月7日,エレクトロニクス製品の開発支援を目的とする新たなサービス事業IBM Engineering & Technology Servicesを発表した。

 新事業では,ITサービスと先進技術に関するIBM社のノウハウや能力を用い,エンジニアリング・スタッフを提供する。顧客は複雑なチップからシステム全体といった広範囲な設計に関するIBM社の知的財産を利用できる。

 IBM社はすでに,世界の700人以上の設計エンジニアを新事業に移管した。2003年にはスタッフを1000人以上に増員する予定である。

 IBM Engineering & Technology Servicesジェネラル・マネージャのPat Toole氏は「オン・デマンドでスキルを提供する手法をとる。適切な知的資産の組み込みに関して経験豊富な最高レベルのエンジニアを派遣する」と説明し,「新事業は融資,研究開発,コンサルタントといったIBM社の他事業の窓口としての役割も果たす」と述べた。

 同事業の技術ノウハウは,「ITや通信のほか,防衛,航空宇宙,民生電子機器,自動車といった業界を網羅している」(IBM社)という。ニューヨーク証券取引所,ソニー・コンピュータ エンタテインメント,米Consumer Direct Linkなどが顧客として名を連ねる。

 IBM Engineering & Technology Servicesの主な事業内容は以下の通り。

・ビジネス・ソリューション:知的資産管理を含むビジネス・プロセスの最適化,Webホスティングなどのオンライン設計,SOI技術に関するコンサルティングおよびトレーニングと製造コンサルティング。

・技術の最適化:LSIの回路,配列,動作周波数,消費電力をはじめ,チップ/モジュール/ボードの最適化。

・システム・ソリューション:コンポーネントやプラットフォームの開発,システム・レベルの最適化,ハードウエアとソフトウエアの統合およびテスト。

・技術アウトソーシング:半導体製造事業サービスや総合的製品開発などのアウトソーシング。

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