米IDCが米国時間5月22日に,世界のITサービス市場に関して調査した結果を発表した。それによると,市場は2002年末には大きく回復するという。12.4%の成長率で拡大し,2006年には6260億ドル規模を上まわる見込みだ。

 2001年におけるITサービスの最大市場は米国だった。今後もその立場を維持し,2006年まで11.8%の成長率で拡大する。

 「短期的には,世界経済の低迷により2002年全体の市場成長が若干減速するが,特定の分野では成長速度が上向く。アウトソーシングはおおむね好調だが,個別のITコンサルティングなどは足踏み状態が続く。しかし,抑制されていた需要が2002年半ばに高まり始め,システム・インテグレーションやカスタム・アプリケーション開発といったプロジェクト指向のサービスが注目を集める」(IDC,Worldwide Servicesプログラム部門プログラム・マネージャのNed May氏)

 携帯型コンピューティング装置の普及促進をはじめ,企業がITコスト削減に伴い効率化を図ること,特定のビジネスの課題を解決するツールとしてITを利用する傾向などがITサービス市場の成長を後押しする。

 地域別でみると,米国が首位市場の立場を維持し,それに西欧が続く。2006年には米国と欧州で世界ITサービス支出全体の74%を占めるようになる。アジア太平洋地域とその他の地域(東欧,中東,アフリカ)は最も急速に成長する。日本を除くアジア太平洋地域における今後5年間の平均成長率は21.9%で,特に中国が著しい伸びをみせる。

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