米Intelが米国時間9月11日に,グラフィックス・ポートの仕様「AGP(Accelerated Graphics Port)3.0」の最終版をリリースした。サンフランシスコで開催中の開発者会議「Intel Developer Forum(IDF)」で同社が明らかにしたもの。

 AGP 3.0仕様は,AGP 4xを発展させたAGP 8x技術を定義している。Intel社が所有し,ライセンシング・プログラムの参加者に無償でライセンス供与する。

 AGP 8xはAGP 4xと下位互換性を持つ。バス帯域幅はAGP 4xの2倍の2.1Gバイト/秒。「デスクトップ・アプリケーションがますます大きな帯域幅を必要としているため,AGP 8xは2003年のデスクトップ・パソコン市場に大きな影響を与えるだろう」(Intel社)。

 「AGP 8xは,ハイエンド・ワークステーションにおけるグラフィックス性能の強化に大きな役割を果たす。3次元(3D)アニメーションやモデリングをはじめ,デジタル・コンテンツの作成,特殊効果,編集といったアプリケーションを視野に入れる。デザイナーはより複雑でリアルな3Dソフトウエアの作成に打ち込むことが可能だ」(Intel社)

 Intel社技術イニシアチブ・マネージャのJason Ziller氏は,「AGP 8xによりCPUからグラフィックス・アダプタへのスループットが大幅に向上し,ユーザーはこれまで不可能だった領域に手を伸ばすことができる」と述べた。

 Intel社はAGP 8xに対応した2種類のチップセットを2002年第4四半期に出荷する計画である。デュアル・プロセサおよびシングル・プロセサ搭載型ワークステーションに向ける。

 AGP 3.0仕様の最終版(改訂第1版)はIntel社WWWサイトに掲載している。また,設計ガイド「AGP 3.0 Design Guide(改訂第2版)」を9月中にリリースする予定である。

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