米Silicon Graphics社(SGI)は米国時間7月17日に,技術者とクリエイティブ・プロフェッショナルが,標準的コンピュータ・ネットワークを介してどのようなモバイルおよび消費者デバイスからもスーパーコンピュータによるビジュアルにアクセスできるようにする構想を発表した。

 同社は,防衛,医学,石油,ガス,工学的設計,映画の特殊技術などの分野で複雑なデータをビジュアライズした情報に変換する技術で知られている。この機能は,高度なビジュアライゼーションにユニバーサル・アクセスを可能にするという同社のビジョンを実現するための重要なステップになるという。

 2002年1月に同社は,「Visual Area Networking」と呼ばれるソリューションを発表している。同技術は,PCが処理するには大きくまた複雑すぎるデータ・セットをベースとする情報にユーザーが標準的ネットワークを介してアクセス可能にするもの。

 同技術により,PC,Linuxベースのタブレット,UNIXベースのワークステーションなどのいかなるコンピュータ・デバイスからでも,標準的なネットワークを介して先進のビジュアライゼーションにアクセスできる。ユーザーは,グラフィックとデータ処理機能に制約があるスクリーンに,スーパーコンピュータによって生成され,通常PCで表示できるグラフィックよりも数千倍複雑なグラフィックを表示できる。

 今回の構想は,Visual Area Networkingを拡張するもので,無線モバイル・デバイス,TVセット・トップ・ボックス,ウェアラブル・コンピュータなどの新しいデバイスから標準的なネットワークを介してビジュアライゼーション機能にアクセス可能にする。

 「SGIは急進的にコンピュータ・グラフィックスの利用方法を変化させている。1月にVisual Area Networkingという画期的なコンセプトを紹介して以来,たった6カ月後に,技術とクリエイティブ・ユーザーがいつでもどこでも高度なビジュアライゼーション機能にアクセスできるように,同技術をさまざまなモバイル,無線デバイス向けに拡張した」(同社会長兼CEOのBob Bishop氏)

◎関連記事
米SGIが2002年4~6月期業績を下方修正,「IT支出の低迷で販売サイクルの予測が困難」
米SGIがNASAのスーパーコンピュータをアップグレード,「演算速度が37%向上し,1228.80GFLOPSに」
米SGIが「Visual Area Networking」構想をデモ
「視覚シミュレーション世界市場は2007年に現在の2.3倍」と米社の調査

発表資料へ