米IDCが米国時間9月10日に,2002年第2四半期におけるハンドヘルド機器世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,ハンドヘルド機器の出荷台数は262万台で,前年同期の289万台と比べ9.3%減少した。また,米Hewlett-Packard(HP)は2002年5月の米Compaq Computerとの合併により,ハンドヘルド機器メーカーとして2位の座に躍進した。
ハンドヘルド機器市場は2期連続で縮小し,世界中の主要メーカーに打撃を与えた。IDC,Smart Handheld Devices部門担当上級アナリストのWeili Su氏は「世界経済の低迷により需要が軟化している。残りの2四半期も前年と比べ横ばい状態が続くだろう」と予測した。
HP社はCompaq社との合併により「iPaq」という強い味方を得て,首位の米Palmを追い上げている。Palm社の第2四半期における出荷台数は84万5640台で前年同期比5%減,前期比33.3%減。しかし,出荷台数ベースの市場シェアは前年同期と比べ1.4ポイント拡大し,32.2%となった。一方,HP社は市場シェア16.5%を獲得したが,前年同期のHP社とCompaq社を合わせた市場シェアから5.7ポイント縮小している。同社の第2四半期における出荷台数は,43万1650台だった。
上位10社のメーカーのうち,前期と比べて出荷台数を伸ばしたのは,ソニー,東芝,中国のLegend Computerの3社である。それぞれ4.6%増,507%増,52.4%増と,好調な伸び率を記録した。これまで,Palm社に続き2位の座を占めていた米Handspringは,統合型デバイスに力を入れ始めていることから,ハンドヘルド機器の出荷台数が減少している。
■ 2002年第2四半期における世界ハンドヘルド機器ベンダーの出荷台数 (単位:1000台) 2002年Q2 市場 2001年Q2 市場 前年同期比 ベンダー 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 伸び率 Palm 845.64 32.2% 890.00 30.8% -5.0% HP 431.65 16.5% 642.66 22.2% -32.8% ソニー 261.38 10.0% 75.00 2.6% 248.5% Handspring 170.59 6.5% 298.00 10.3% -42.8% Hi-Tech Wealth 119.74 4.6% 124.90 4.3% -4.1% その他 793.27 30.2% 861.34 29.8% 8.6% 合計 2,622.27 100% 2,891.90 100% -9.3% 出典:IDC 注意; ・出荷台数は,流通チャネルへの出荷とメーカーによる直販の両方を含む。 OEMによる売り上げは,メーカー/ブランドごとに集計。 ・HP社の出荷台数は,HP社とCompaq社の出荷台数の合計。 ・出荷台数にはペン・ツール式とキーパッド式の両方を含む。 ・数字は,各ベンダーの会計年度ではなく2002年のデータに基づく。
◎関連記事
■2002年のPDA市場,出荷数は9%の延び,ポケットPCベンダーではHPがリード
■「2002年Q2のPDA市場,売上高ベースで米HPが米パームを抜いて首位に」,米データクエスト
■2002年の世界のPDA出荷台数は18%増,米Gartnerが予測
■「PDA市場で首位交代劇,Q2にiPAQがPalmを抜き首位に」と米データクエスト
■「『Palm OS』機は『Pocket PC』機より年間コストを41%削減できる」,米パームが調査結果を引用
■「2006年のイメージング機能付き携帯機器の出荷台数は世界で1億5100万台に達する」,米IDCの調査
■米パームの2002年3~5月期決算,純損失が2700万ドルに
■米HPが合併後初の決算報告,売上高165億ドルで前期比9%減収,GAAPベースで赤字を計上
[発表資料へ]