米Palmが米国時間6月25日に,2002会計年度第4四半期(2002年3~5月期)と同年度通期の決算を発表した。同四半期の売上高は2億3300万ドルで,前年同期の1億6500万ドルに比べ41%増となった。

 Palm社は当初,同四半期の売上高を2億9000万~3億ドルと予測していたが,5月30日にこれを2億3000万ドルに下方修正していた。

 GAAP(会計原則)ベースの純損失は2700万ドル,同1株当たり純損失は0.05ドル。前年同期はそれぞれ3億9200万ドルと0.69ドルだったので赤字額は大幅に縮小した。

 過剰在庫資産にかかる費用,のれん代の償却費用,組織分割にかかる費用,リストラ費用などを除いたPro formaベースの純損失は1800万ドル(同1株当たり純損失は0.03ドル)。同じ条件の前年同期の純損失は8900万ドル(0.16ドル)だった。

 2002会計年度通期の業績では,売上高が10億3000万ドルで前年度の15億6000万ドルに比べ34%減となった。GAAPベースの純損失は8200万ドル(同1株当たり純損失は0.14ドル)。前年度のGAAPベース純損失は3億5600万ドル(同1株当たり純損失は0.63ドル)だった。

 Palm社は,同四半期中に90万台,通期では440万台のPalm機を出荷した。これで同社がこれまでに出荷したPalm機の累計台数は1800万台を超えたという。またPalm OSライセンシによるPalm機の出荷台数も含めるとその合計は2300万台になるという。これは「Pocket PC搭載機の500万台を大きく上回る数値」(Palm社)だという。

 なおPalm社は同日,これまで,ハードウエア事業であるPalm Solutions Groupの社長兼COOを務めていたTodd Bradley氏を同事業のCEOに就任すると発表した。これにより同社のCEOは同氏と,OS事業であるPalmSource社CEOのDavid Nagel氏,そしてPalm社のCEO兼会長のEric Benhamou氏の3人が存在することになる。

 ただし,Eric Benhamou氏はPalmSource社が完全に独立するまでの暫定CEOという位置づけである。同社完全独立後はPalm社におけるCEO職を廃止し,Eric Benhamou氏は2社の会長職を務めるのみにとどまる。

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[決算発表]
[発表資料(Todd Bradley氏のCEO就任)]