「今後数年で無線LAN技術とGPRSおよびCDMA2000携帯電話ネットワークが世界的に普及し,無線対応携帯端末向け半導体の需要が高まる」。米In-Stat/MDRが米国時間8月20日に,無線対応携帯端末向け半導体の市場に関する調査結果を発表した。それによると,ノート・パソコンやPDAに利用される無線機能向け半導体の市場は急速に成長しており,2006年における無線モデム・チップセットはノート・パソコン向けが3300万個,PDA向けが600万個を超える見込みだ。

 「無線LANは企業や家庭で普及しているだけではない。ホテル,空港,コーヒー・ショップなど公共の場所で無線接続を利用できるホット・スポットへの関心が高まっている。また携帯電話プロバイダも,広範囲で中速度のデータ転送を提供する無線データ・ネットワークを導入し始めている」(In-Stat/MDR社上級アナリストのAllen Nogee氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・外付けPCカードに利用される無線モデム・チップセットの個数は2004年にピークを迎え,その後次第に減少する。無線LAN接続機能を組み込んだノート・パソコンなど,モデムを内蔵したデバイスが増えるためである。

・2006年における無線LANチップセットの大部分が,組み込み向けminiPCIでの利用を想定する。無線モデム・チップセットでは,PCMCIA用が優勢となる。

・2006年のPDA用無線LANチップセットおよび無線モデム・チップセットは,組み込み無線モジュール向けが大部分を占める。PCMCIAやSDといった外付けカード向けの割合は10%に満たないだろう。

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