米IDCが米国時間9月5日に,世界の無線LAN LSI市場に関して調査した結果を発表した。それによると,2000年~2005年に市場は年平均成長率29%で拡大するという。

 2002年に5GHz帯向けが台頭し始め,市場の成長を押し上げる。5GHz帯向けより成熟している2.4GHz帯向けは,2001年に53%増の2億1600万ドル規模に達する。しかし2000年~2005年の年平均成長率は8.6%と控えめである。

 無線LAN LSIは有望市場である。2.4GHz帯を使用するIEEE 802.11bに対応したベースバンドおよび無線チップセットは,相変わらず売り上げ見通しが好調だ。5GHz帯を使用するIEEE 802.11a向けは,データ転送速度が高まりインタフェースの問題も減少している。IEEE 802.11以外のHomeRFやHiperLAN/2も,無線LAN市場で健闘している。

 ベンダー別にみた場合,2.4GHz帯分野の首位は米Intersilが維持する。2.4GHz帯製品を手がける企業には,米Agere,米Cirrus Logic,米Cisco Systems,米Proxim,オランダのPhilips,米Texas Instrumentsなどがある。また,多くの企業が5GHz帯分野への参入を考えている。Atheros社,Envara社,Resonext社といった新興企業のほか,24GHz帯ベンダーや大手企業では米National Semiconductorや米ST Microelectronicsなどだ。

 「無線LAN LSI市場が成熟するとともに,製品の標準化が進み価格競争が激しくなる。ベンダーにとってコスト削減は避けられない課題である」(IDC,Semiconductorグループ部門調査アナリストのKen Furer氏)。

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